無限級数の値

二項係数その3

二項係数の部分和について考える。

\[ \sum_{k=0}^m\binom{n}{k} \] を求めるにはどうすればいいか、これは \[ \frac{1}{1-x}(1+x)^n \] の\(x^m\)の係数に等しいが、これはうまく求められない。しかし、 \[ \sum_{k=0}^m(-1)^k\binom{n}{k} \] のように交代和にすることによって、 \[ \frac{1}{1-x}(1-x)^n=(1-x)^{n-1} \] となるので、 \[ \sum_{k=0}^m(-1)^k\binom{n}{k}=\binom{n-1}{m} \] さて、これを一般化して、 \[ (1-x)^{-a}(1-x)^{-b}=(1-x)^{-a-b} \] の係数比較をしてみよう。すると、 \begin{align} \sum_{k=0}^n\frac{(a)_k(b)_{n-k}}{k!(n-k)!}&=\frac{(a+b)_n}{n!}\\ \sum_{k=0}^n\binom{n}{k}(a)_k(b)_{n-k}&=(a+b)_n \end{align} これは二項定理と同じ形をしている。ここで、 \begin{align} (a)_{n-k}&=\frac{a(a+1)\cdots(a+n-k-1)}{a(a+1)\cdots(a+n-1)}a(a+1)\cdots(a+n-1)\\ &=\frac{1}{(a+n-k)(a+n-k+1)\cdots(a+n-1)}(a)_n\\ &=\frac{(-1)^k}{(1-n-a)(2-n-a)\cdots(k-n-a)}(a)_n\\ &=\frac{(-1)^k(a)_n}{(1-n-a)_k} \end{align} 特に\(a=1\)として、 \[ \frac{(-1)^kn!}{(n-k)!}=(-n)_k \] これらをもちいて、 \begin{align} \sum_{k=0}^n\frac{(a)_k(b)_{n-k}}{k!(n-k)!}&=\frac{(a+b)_n}{n!}\\ \sum_{k=0}^n\frac{(a,-n)_k}{(1-n-b)_kk!}&=\frac{(a+b)_n}{(b)_n} \end{align} \(b\to 1-n-b\)とすると、 \begin{align} \sum_{k=0}^n\frac{(a,-n)_k}{(b)_kk!}=\frac{(1-n+a-b)_n}{(1-n-b)_n} \end{align} ここで、 \begin{align} (a)_n&=a(a+1)\cdots(a+n-1)\\ &=(-1)^n(1-n-a)(2-n-a)\cdots(-a)\\ &=(-1)^n(1-n-a)_n \end{align} をもちいて、 \[ \sum_{k=0}^n\frac{(a,-n)_k}{(b)_kk!}=\frac{(b-a)_n}{(b)_n} \] である。これをVandermondeの恒等式という。超幾何級数 \[ {}_2F_1\left[\begin{matrix}a,b\\c\end{matrix};x\right]=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(a,b)_n}{(c)_nn!}x^n \] をもちいれば、 \[ {}_2F_1\left[\begin{matrix}a,-n\\b\end{matrix};1\right]=\frac{(b-a)_n}{(b)_n} \] と表すことができる。ここで、\(a\to x,b\to x+1\)としてみると、 \begin{align} \sum_{k=0}^n(-1)^k\binom{n}{k}\frac{x}{x+k}&=\frac{n!}{(x+1)(x+2)\cdots(x+n)}\\ \frac{1}{n!}\sum_{k=0}^n(-1)^k\binom{n}{k}\frac{1}{x+k}&=\frac{1}{x(x+1)\cdots(x+n)} \end{align} これは面白い部分分数分解である。

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