無限級数の値

Eulerian polynomialsその1

\(|x|< 1\)について、

\begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty}k^nx^k=\frac{xA_n(x)}{(1-x)^{n+1}} \end{align*} として得られる、\(A_n(x)\)は多項式になり、その定義域を複素平面全体に拡張して定義する。 この\(A_n(x)\)をEulerian polynomialsという。 \begin{align*} \sum_{k=1}^{\infty}x^k&=\frac{x}{1-x}\\ \sum_{k=1}^{\infty}kx^k&=\frac{x}{(1-x)^2}\\ \end{align*} より、\(A_0(x)=1,\quad A_1(x)=1\)である。 \begin{align*} \frac{xA_{n+1}(x)}{(1-x)^{n+2}}&=\sum_{k=1}^{\infty}k^{n+1}x^k\\ &=x\frac{d}{dx}\sum_{k=1}^{\infty}k^nx^k\\ &=x\frac{d}{dx}\frac{xA_n(x)}{(1-x)^{n+1}}\\ &=x\left(\frac{A_n(x)+xA_n'(x)}{(1-x)^{n+1}}+\frac{(n+1)xA_n(x)}{(1-x)^{n+2}}\right)\\ &=x\frac{(1+nx)A_n(x)+x(1-x)A_n'(x)}{(1-x)^{n+2}} \end{align*} だから、 \[ A_{n+1}(x)=(1+nx)A_n(x)+x(1-x)A_n'(x) \] これをもちいて具体的に計算すると、 \begin{align*} A_1(x)&=1\\ A_2(x)&=1+x\\ A_3(x)&=(1+2x)(1+x)+x(1-x)\\ &=1+3x+2x^2+x-x^2\\ &=1+4x+x^2\\ A_4(x)&=(1+3x)(1+4x+x^2)+x(1-x)(4+2x)\\ &=1+7x+13x^2+3x^3+4x-2x^2-2x^3\\ &=1+11x+11x^2+x^3 \end{align*} \(A_1(x)=1\)であることと、漸化式の形から、\(A_n(x)\)は\(n\geq 1\)のとき、\(n-1\)次の多項式であることが分かる。 \[ A_{n+1}(x)=(1+nx)A_n(x)+x(1-x)A_n'(x) \] に\(x=1\)を代入して、 \[ A_{n+1}(1)=(1+n)A_n(1) \] が分かる。\(A_0(1)=1\)であるから、 \[ A_n(1)=n! \] である。 さて、これをさらに調べるために、 \[ A_n(x)=\sum_{k=0}^{n-1}A_{n,k}x^k \] とする。上記の添字の範囲外では、\(0\)と定義する。 この\(A_{n,k}\)をEulerian numberという。 これを漸化式に代入して、 \[ A_{n+1}(x)=(1+nx)A_n(x)+x(1-x)A_n'(x) \] \begin{align*} \sum_{k=0}^nA_{n+1,k}x^k&=(1+nx)\sum_{k=0}^{n-1}A_{n,k}x^k+x(1-x)\sum_{k=0}^{n-1}kA_{n,k}x^{k-1}\\ &=\sum_{k=0}^nA_{n,k}x^k+\sum_{k=0}^{n-1}nA_{n,k}x^{k+1}+\sum_{k=0}^{n}kA_{n,k}x^k-\sum_{k=0}^{n-1}kA_{n,k}x^{k+1}\\ &=\sum_{k=0}^n(1+k)A_{n,k}x^k+\sum_{k=0}^{n-1}(n-k)A_{n,k}x^{k+1}\\ &=\sum_{k=0}^n(1+k)A_{n,k}x^k+\sum_{k=0}^n(n-k+1)A_{n,k-1}x^k\\ &=\sum_{k=0}^n\left((1+k)A_{n,k}+(n-k+1)A_{n,k-1}\right)x^k \end{align*} つまり、 \[ A_{n+1,k}=(n-k+1)A_{n,k-1}+(1+k)A_{n,k} \] \(A_{1,k}=\delta_{0k}\)から上の漸化式をもちいて順番に計算することができる。 ここで、\(B_{n,k}=A_{n,n-k-1}\)としてみると、\(A_{n,k}\)の漸化式において、\(k\to n-k\)として、 \[ A_{n+1,n-k}=(1+k)A_{n,n-k-1}+(n-k+1)A_{n,n-k} \] つまり、 \[ B_{n+1,k}=(n-k+1)B_{n,k-1}+(1+k)B_{n,k} \] である。よって\(B_{n,k}\)は\(A_{n,k}\)と同じ漸化式を満たし、また\(B_{1,k}=\delta_{0k}\)もなりたつから、\(B_{n,k}=A_{n,k}\) つまり、\(A_{n,n-k-1}=A_{n,k}\)がなりたつ。よって、\(A_n(x)\)は回分多項式 \[ A_n(x)=x^{n-1}A_n\left(\frac 1x\right) \] である。 ここに\(x=-1\)を代入して、 \[ A_n(-1)=(-1)^{n-1}A_n(-1) \] よって、\(n\)が偶数のとき、 \[ A_n(-1)=0 \] がなりたつ。これは\(n\)が偶数なら、 \[ \lim_{x\to -1}\sum_{k=0}^{\infty}k^nx^k=0 \] がなりたつということである。さて、\(A_n(x)\)の指数型母関数を考えてみたい。 \begin{align*} \sum_{n=0}^{\infty}\frac{A_n(x)}{n!}a^n&=\frac{1-x}{x}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{a^n}{n!}(1-x)^{n}\sum_{k=1}^{\infty}k^nx^k\\ &=\frac{1-x}{x}\sum_{k=1}^{\infty}x^k\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(1-x)^{n}a^nk^n}{n!}\\ &=\frac{1-x}{x}\sum_{k=1}^{\infty}x^ke^{(1-x)ak}\\ &=\frac{1-x}{x}\frac{xe^{(1-x)a}}{1-xe^{(1-x)a}}\\ &=\frac{(1-x)e^{(1-x)a}}{1-xe^{(1-x)a}}\\ &=\frac{1-x}{e^{(x-1)a}-x} \end{align*} つまり、 \[ \sum_{n=0}^{\infty}\frac{A_n(x)}{n!}a^n=\frac{1-x}{e^{(x-1)a}-x} \] 右辺の分母を払って、 \begin{align*} (e^{(x-1)a}-x)\sum_{n=0}^{\infty}\frac{A_n(x)}{n!}a^n&=1-x\\ \end{align*} 両辺の\(a^n,\,n\geq 1\)の係数を比較して、 \[ \sum_{k=0}^n\binom{n}{k}(x-1)^{k}A_{n-k}(x)=xA_n(x)\\ \] つまり、漸化式 \[ \sum_{k=1}^n\binom{n}{k}(x-1)^{k-1}A_{n-k}(x)=A_n(x) \] がなりたつ。

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