無限級数の値

調和数その1

ここでは調和数の基本的な性質を見ていきたい。

調和数\(H_n\)は、 \[ H_n=\sum_{k=1}^n\frac{1}{k} \] で定義される。まず、 \[ H_{n+1}=H_n+\frac{1}{n} \] が成り立つ。また、 \begin{align} H_n&=\sum_{k=1}^n\frac{1}{k}\\ &=\sum_{k=1}^n\int_0^1x^{k-1}\,dx\\ &=\int_0^1\sum_{k=1}x^{k-1}\,dx\\ &=\int_0^1\frac{1-x^n}{1-x}\,dx \end{align} と積分表示できる。ここで、\(n\)を正の実数\(x\)に一般化して、 \[ H_x=\int_0^1\frac{1-t^x}{1-t}\,dx \] と定義してみる。このとき、 \begin{align} H_x&=\int_0^1\frac{1-t^x}{1-t}\,dx\\ &=\int_0^1\sum_{n=0}^{\infty}(t^n-t^{n+x})\,dx\\ &=\sum_{n=0}^{\infty}\int_0^1(t^n-t^{n+x})\,dx\\ &=\sum_{n=0}^{\infty}\left(\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+x+1}\right)\\ &=\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+x}\right)\\ \end{align} 最後の級数で調和数を定義することにより、\(x\)が負の整数でなければ、値が定義される。 さて、これをMaclaurin展開してみたい。\(k\geq 1\)のとき、 \[ \frac{d^k}{dx^k}H_x=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{(-1)^{k-1}k!}{(n+x)^{k+1}} \] よって、係数は、 \[ \zeta(s)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s} \] をもちいて、 \[ (-1)^{k-1}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^{k+1}}=(-1)^{k-1}\zeta(k+1) \] よって、 \[ H_x=\sum_{n=2}^{\infty}(-1)^n\zeta(n)x^{n-1} \] 一般にHurwitz \[ \zeta(s,x)=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{(n+x)^s} \] をもちいることによって、 \[ H_{x+a}=\sum_{n=2}^{\infty}(-1)^n\zeta(n,a+1)x^{n-1} \] とかける。ここで、調和数の母関数を求めてみたい、 \begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}H_nx^n&=\sum_{n=1}^{\infty}\sum_{k=1}^n\frac{1}{k}x^n\\ &=\frac{1}{1-x}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{x^n}{n}\\ &=-\frac{\ln(1-x)}{1-x} \end{align} さて、これを積分すると、 \[ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{H_{n-1}}{n}x^{n}=\frac{\ln^2(1-x)}{2}\\ \] ここで、多重対数関数 \[ \mathrm{Li}_s(x)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{x^n}{n^s} \] をもちいて、 \[ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{H_n}{n}x^n=\mathrm{Li}_2(x)+\frac{\ln^2(1-x)}{2} \] を得る。

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